生まれたばかりの赤ちゃんは約1年ほど母乳やミルクを飲んで過ごします。
もちろん、途中から離乳食も始まりあらゆる栄養を食べ物からとるトレーニングをしていきますが、初めは母乳やミルクがメイン。
そんな新生児の主な食事でもあり飲み物でもある母乳と粉ミルクは一体どちらを選んだ方がよいのでしょうか。
母乳と粉ミルクのメリットデメリットをあわせて解説します。
赤ちゃんを出産するとママの体は母乳が出るように変化していきます。
これは胎盤が排出されることにより母乳の分泌がさかんになるためです。
さらに赤ちゃんがママのおっぱいを吸うことで刺激され、母乳がさらに作られるようになり赤ちゃんが必要な分だけしっかりと出るようになっていきます。
特に「初乳」と呼ばれるやや黄色がかった母乳は出産後約1週間ほど出ますが、初乳の中には赤ちゃんを守る免疫がたくさん入っており飲むことでママが持っている免疫の一部を引き継ぐことができます。
生まれたばかりの新生児は免疫機能がほとんどないため、病原菌やアレルギーから赤ちゃんを守るためにも少しでも良いので飲ませると良いといわれるものです。
その他免疫だけでなく栄養価の高さからも与えることが理想的とされています。
また母乳の分泌はママの体にとっても良い作用をもたらし、たとえば産後の子宮の戻りを良くするなど産褥期の回復を助ける働きや赤ちゃんが欲しがった時にすぐ与えられることでストレスの緩和に、経済的という点でも大きなメリットがあります。
そして消化機能の未熟な赤ちゃんにとって母乳は消化が良いこともメリットの一つです。
粉ミルクは哺乳瓶に入れて赤ちゃんに与えるので、どれだけ飲んだかが目で見てはっきりわかり、飲んだ量の把握ができる安心感があります。
また、パパがミルクを作り与えることもできるため積極的に育児に参加しやすいというメリットも。
それに粉ミルクは腹持ちが良いため、飲んだあとはぐっすり眠るのでママも一緒に体を休めやすくなります。
ママの体にとってのメリットは、乳腺炎の心配がないこととおっぱいの形が崩れないことがあります。
赤ちゃんが欲しがった時にすぐ与えるためにはいつも赤ちゃんと一緒にいなくてはなりません。
すると、ちょっとした用事で出かける時でも連れて行くか搾乳して預けておく必要がありその手間がストレスになることも。
それにママの食べたものから母乳は作られるため、健康的で質素な食生活を続け風邪をひいても薬を使うことができません。
また頻繁に吸わせることでおっぱいに傷ができたり、ストレスや食生活などから乳腺炎になって辛い思いをすることもあります。
粉ミルクは赤ちゃんにとっての栄養素は含まれているものの、ママからの母乳に含まれるような免疫は入っていません。
そのため全く母乳が与えられなかった場合は特に新生児の生活環境に気を配ってあげましょう。
そしてママの体の回復も赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激がないため回復が遅くなり、体重がなかなか戻らないということも。
もちろん粉ミルクは購入しなければ使えないので、哺乳瓶や消毒液などを含めあらゆるコストがかかるデメリットもあります。
母乳と粉ミルクのメリットとデメリットを照らし合わせると、完全にこちらが良いと断言することはできません。
生活環境、ママパパの気持ちなどを含めて状況に合わせてその時に合った方法で赤ちゃんに与えてあげましょう。
ただし母乳は欲しいと思った時すぐに出るものではなく、あまり与えないでいれば出る量は減りいずれは全く出なくなってしまいます。
そのため母乳と粉ミルクを併用したいと考える時は、ミルクを与えている時は搾乳して刺激を与えておきましょう。